新課程「情報Ⅰ」の入試対応を考える 2024年度に実施される大学入学共通テスト「情報Ⅰ」について、最新情報とご指導、対策方法をご紹介。「情報Ⅰ」を課す大学・募集単位での配点や、先生方のご意見から考え出された対策方法など、本番までの約1年間のご指導計画を立てる際にお役立てください。

本記事は、2023年11月に実施した「情報Ⅰ」Webセミナーからポイントを抜粋しております。お時間のある方は、ぜひ動画も合わせてご覧ください。
※動画のご視聴にはハイスクールオンラインの学校IDまたは個人IDが必要です。

最新情報①【国公立大・一般選抜】 共通テストにおける「情報」の配点比率

配点比率が6~10%の比重でみられる大学が多いようです。これは、大学入学共通テストの合計点を1000点満点とすると、理科や社会の配点割合と同程度と言えます。また、配点比率が11%以上の募集単位を持つ国公立大学・学部もあるため、併願校との割合差を確認したうえで、出願校の検討や学習計画を立てることが大切です。
※分析時期 2023年7月上旬時点の大学公表情報を基に作成
※分析対象 「情報」を必須で課し、該当情報公表が確認された1,438募集単位(大学・学部・学科・日程・方式)

最新情報②【私立大・一般選抜・共通テスト利用方式】共通テスト「情報」の扱い

私立大・一般選抜・共通テスト利用方式では、55.4%の募集単位が「情報」を選択で課すことが公表されています。情報で高得点が見込める生徒について、積極的な出願が報われるケースが想定されます。
※分析対象: 該当情報公表が確認された4,945募集単位(大学・学部・学科・日程・方式)
※分析時期 2023年11月上旬時点の大学公表情報を基に作成

対策における学校現場のお声

新課程の「情報Ⅰ」では、旧課程から変化の大きい領域として「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」があります。この2つの領域は、試作問題でも配点が高く設定され、実際に偏差値50前後と、偏差値60前後で差がつく領域となっています。また、ベネッセが実施した情報活用力を測るテストでも、2つの領域の習得は想定以上に難しいことが見えてきました。
そのため、学校現場から、『「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」を重視したいが、領域ごとの指導バランスに悩む』というお声をいただいています。

全国の指導事例 兵庫県・私立雲雀丘学園中学校・高校

  • 2年生後半以降は、他教科とのバランスも考慮して生徒の負荷を最小限に抑え、「10分」を確保し学習を継続。
  • 3年生以降は、知識は問題集で復習。プログラミングは授業で演習。
  • 共通テスト対策において大事にされていることは、問題文を的確に読解し、与えられた情報を活用して問題を解く対応力を身につけさせる。

「情報Ⅰ」対策のポイントと想定されるご指導ストーリー

共通テストに向けた対策では、学習範囲のミスマッチ×学習難易度のミスマッチが起きないようにすることが大切です。
そこで「プログラミング」と「データの活用」について、GTZの各ゾーン別に実証研究を実施。判明したつまずきレベルのちがいなどから、3つの対策ポイントが見えてきました。

ポイント①:生徒個々に理解度、定着度が違う可能性が高いため、先生の一斉指導で対策をする分野、生徒個別の自学自習で問題演習を進める分野と分けて対策内容を検討する必要がある。
ポイント②:「プログラミング」と「データの活用」は、習得するまでに段階を踏んで理解していく必要があり、なおかつ、プログラミング領域は実習を通して身につく事柄も多いため極力3年生前半期間に取り組み、定着させることが大事。
ポイント③:年初の計画をずっと継続させるというよりは、苦手の強い分野から指導を始め、
生徒の学力の定着状況に応じて、指導内容の調整を行い、効率化することが大事。

上記のポイントをおさえたうえで、先生方からご意見をいただき、共通テスト対策における指導ストーリーを作成しました。
時期別×学力別に有効となりそうな主な指導についてまとめています。
※閲覧にはハイスクールオンラインへのログインが必要です。
ログイン後、動画内もしくは、投影資料PDFから実証研究結果をご覧いただけます。

ベネッセからのご支援①学習支援教材「Pスタディ」

動画教材やプログラミング教材など各単元に最適な内容を用意。背景や要点の理解・確認、実習やワークを通じた思考力・表現力の実践で、得意・不得意に応じて自主的に「情報Ⅰ」を身につけられます。また、「共通テスト用演習問題」を、本番に向けて効果的に活用いただけるプログラムもご用意しています。節目ごとに、「演習問題+解説動画」で網羅的に復習することができます。
【耳寄り情報】Pスタディは2024年度から、より「授業」や「自学自習」、そして「共通テスト対策」としてもお使いいただけるよう新企画をスタートいたします!

●授業内や自学自習でご活用の学校様におすすめ●
①説明を読んだだけでは理解しにくいプログラミングの基本を視覚的に理解いただけるよう、解説動画を追加します。
授業の導入や生徒さんの予習・復習時にご活用ください。
②プログラミングの実行環境が独立したページでご活用いただけるようになります。
これまで学習単元内に配置されていたプログラミング実行環境が、独立したページとなることで、教科書や問題集を解きながら、「実際にプログラムを動かしてみて理解する」ということがより実施しやすくなります。

●共通テスト対策としてご活用の学校様におすすめ●
これまでのPスタディ内に共通テスト対策になる演習問題を100問程度格納しておりましたが、2024年度からは追加して60分のCBT形式の演習テストを2回分、教材内に格納いたします。
単元ごとの定着の確認だけではなく、本番を見据えた難易度と時間配分、かつ、CBT形式という手軽さを用いて、入試対策に向けた実践的なご活用も可能となります。弊社の共通テスト対策回の模試や、長期休暇での補習時などに是非ご活用ください。

その他にも新企画をご用意しておりますので、詳細はこちらよりご覧ください。

ベネッセからのご支援②進研WINSTEP 情報Ⅰ

共通テスト対応力の土台をつくる紙の問題演習です。共通テスト「情報Ⅰ」の基本的かつ重要な内容について理解・定着をはかり、多くの受験生がつまづきやすいテーマの問題を補強できます。
2024.02.13