データからひも解く年内入試のトレンド 世の中が変化するスピードが早く、先行きが見えづらいと言われる時代になり、大学も教科学力だけではなく、高校生活での多様な経験、資質・能力を持った学生を求めています。その表れとして、学校推薦型・総合型選抜(=年内入試)を積極的に実施する大学が増加しています。本記事では、そんな「年内入試」の準備・対策を進める上で押さえておきたいトレンドを紹介します。

2人に1人が年内に進路決定する時代

2021年度入試から一般選抜で大学に入学する学生が50%となり、それ以降は学校推薦型・総合型選抜で入学する学生が過半数を占めています。2023年度入試では51.4%にまで達し、今後もこのような傾向が継続するとみられます。
弊社調べによると、特に私立大において年内入試の募集人員を大きく増やす動きが確認できます。2024年度入試では志願者・合格者の伸びが緩やかになったのに対して、募集人員はそれを上回る幅で拡大しています。18歳人口の減少(少子化)が続く中で大学の門戸が広がっていることから、入試競争が緩和し、チャレンジしやすい環境下であると言えるでしょう。
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国公立大では後期日程を縮小、女子枠を拡大する傾向

私立大と比較すると変化が小さい国公立大ではありますが、受験生にとって影響の大きい変更を進めている大学がある点は押さえておきたいところです。たとえば2025年度入試において、東京学芸大が後期日程を153人から100人に縮小し、京都工芸繊維大では工芸科学部の一般プログラムで後期日程(74人)を廃止、それぞれ学校推薦型・総合型選抜の募集人員増加に充てることを予定しています。また、東京工業大は学校推薦型・総合型選抜全体の募集人員が244人、うち女子枠が143人となる見込みです。従来の併願戦略が検討できなかったり、入試の難易にも影響を与えたりするケースも考えられるため注意が必要です。
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小論文試験におけるトレンド

試験内容を分析すると、近年求められる力についても傾向が見えてきています。問われているのは大きく2つです。

①社会への視野の広さ
受験する学部・学科に関するテーマを中心に、普段から社会に広く深く興味・関心を持つことができているかを見極めようとします。したがって、新聞やニュースで取り上げられるような社会的出来事については、自分および社会の課題に結びつけて理解し、思考できる力が大切になってきます。

②論理的文章や非連続型の情報を読み解く力
大学入学後は多くの文献を読むことになります。そのため入試では、論理的な文章を読み取る力や、グラフや図表、複数の資料から全体を把握しポイントを抽出する力が試されます。

小論文対策を指導する上で押さえておきたい頻出テーマ「AI」「コロナ禍の影響」「メディアリテラシー」についても下記にてご紹介しています。ぜひ、ご活用ください。
2024年度入試の小論文で多く出題されたテーマは?
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2024.09.17