【セミナーレポート】先生に「ゆとり」、生徒に「自走」。(6/24・25開催)
変化の激しい社会を背景に、次期学習指導要領でも「深い学び」や「探究的な学び」の重要性が叫ばれています 。しかし学校現場では、「生徒の志望のこだわりや学習意欲を引き出すきっかけが作れない」「個別指導の負荷が高まっている」という声も少なくありません 。 本記事では、2026年6月に開催された高校の先生方向けオンラインセミナーのポイントを、当日のプログラムに沿って凝縮レポートします 。すべてを先生のマンパワーに頼らず、デジタル活用によって業務負荷軽減と働き方改革、そして生徒の学習意欲を高めるアプローチを両立するヒントをお届けします 。

本セミナーのトピック
動機づけ・入試環境の変化など、指導を取り巻く現状の整理
生徒の自走を引き出す「赤ペン先生流・ほめ方3原則」の実践
経験に依存しない指導の標準化に向けた「仕組み化」の実践校事例
業務負荷軽減と学習意欲向上を両立する「デジタル学習基盤」の活用

近年の動向:
データから見る「動機づけ」と「業務負荷軽減」の壁
加速する「個別化」と高まる指導負荷
近年の調査では、高3時点で「自分の適性がわからない(65.7%)」 「勉強しようという気持ちがわかない(高校生:65.9%)」 など、生徒の動機づけがしづらい環境が浮き彫りになっています 。
さらに、大学入学者の51.8%が学校推薦型・総合型選抜(年内入試)を利用する時代となり 、2027年度入試からは年内入試での「面接必須化」も決定 。生徒一人ひとりの成長プロセスの見取りや面接指導など、個別対応の「量・質」ともに負担増が避けられない現実があります 。
理想を阻む「マンパワーの限界」
本セミナーの事前アンケート(n=1,262)でも、日々の指導のお悩み第1位は「学習意欲を高める動機づけ(51%)」でした 。一方で、管理職や進路指導の先生方が同時に頭を悩ませているのが「業務効率化による生徒と向き合う時間の確保」です 。
教員不足や年齢構成の変化が進む中 、特定の先生の経験や熱意だけに依拠する体制は数年後には限界を迎えます 。学校全体で指導力を維持するための「マンパワーに頼らない仕組み化(働き方改革)」が急務となっています 。
生徒の自走を引き出す「多様なアプローチ」
こうした動機づけの難化に対し、学習動機の権威である市川伸一氏(東京大学名誉教授)は、人が学ぶ動機を「6つの志向」に整理しています。学ぶ楽しさを求める『充実志向』などの【内発的動機】だけでなく、仲間と頑張りたい『関係志向』や褒められたい『報酬志向』といった【外発的動機】も含め、どの動機が響くかは生徒それぞれで異なります。だからこそ、特定の指導法や先生個人の熱意だけに固執せず、学校の中に多様な「仕掛けの角度(網の目)」を多く用意しておくことが求められます。詳細はこちらから。

基調講演:
赤ペン先生の実践にみる、行動変容を促す「ほめ方」
生徒の「自走」を引き出すためには、先生の見取りや声かけによる多角的な関与が土台となります 。ベネッセコーポレーション赤ペン指導部、また赤ペン先生全国代表の佐村俊恵先生による基調講演では、「月にたった1回の働きかけで子どもの心を動かし、行動を変えるメソッド」が紹介されました 。
赤ペン先生が長年の実践から辿り着いたのは、単にテストの点数や結果を称賛するのではなく、心や行動の変化の「過程」に気づくアプローチです 。 セミナーでは、生徒が「自分をちゃんと見てくれている」という安心感や自信を抱き、主体的な行動(内発的動機づけ)へと自ら変わっていくための「ほめ方の3原則」が提示されました 。


実践校インタビュー:
札幌新陽高校が挑む指導の仕組み化
個人の努力や経験だけに依拠しない指導の「仕組み化」の実践として、札幌新陽高等学校の事例が紹介されました 。同校では、弊社が2026年春にリリースした領域横断型デジタルサービス「グロースナビ」を全校一斉に導入しています 。
システムをうまく頼る「仕組み化」を進めた結果、同校では短期間で以下のような変化の輪が広がっています 。
1時間目の授業開始がスムーズに:
朝学習で同じツールを統一して開く習慣が定着したことで、校内全体の意識が変化 。生徒の思わぬ興味が可視化され、進路の選択肢が拡大:
経済志望だった生徒が、自身の潜在的な関心に気づき進路の幅を広げた。生徒で輪が広がった学習への一歩:
グロースナビの機能「まなびのたまご」の成長が、先生・生徒の会話のきっかけとなり、ツールを開くことが習慣化。


弊社からのご提案:
「グロースナビ」による仕組み化・負荷軽減」
赤ペン先生の「見取り・声かけ」による内発的動機づけ 。そして、札幌新陽高校の実践にみる、先生のゆとりを生む「仕組み化・負荷軽減」 。
これら2つのアプローチから見えてきた「自走支援を着実かつ持続可能なものにする」という課題に対し、ベネッセの領域横断型デジタルサービス「グロースナビ」が先生方を支援します 。

グロースナビの特設サイトはこちらから。
まとめ
先生の「ゆとり」が、生徒の「自走」を支える土台に。
本セミナーを通じて浮き彫りになったのは、動機づけの難化という「現場の厳しい現実」、そしてそれに立ち向かうための「見取り・声かけ」と「仕組み化」の重要性です。
赤ペン先生が実践する「過程」に着目した内発的動機づけ。そして、札幌新陽高校が実証したシステムによる指導の標準化。これら2つのアプローチに共通するのは、「先生側に『ゆとり』があるからこそ、生徒一人ひとりに応じた適切な後押しができる」ということです。
業務の標準化によって生み出されたゆとりこそが、生徒一人ひとりと向き合い、可能性を最大限に引き出すための最も貴重な時間となります。
ベネッセは、領域横断型デジタルサービス「グロースナビ」を通じて、先生方の「ゆとり」を生み出し、生徒の「自走」を促す持続可能な仕組みづくりをこれからも全力で支援してまいります。
改めまして、本セミナーにてご講演いただきました佐村俊恵先生、そしてインタビューにご協力いただきました札幌新陽高等学校の先生方、生徒の皆様に心より感謝申し上げます。

講師紹介

佐村俊恵先生
進研ゼミ初の公式本著者であり、全国に約7,000人いる赤ペン先生の代表。これまでに指導した8万枚の答案を通して身につけた、子どもの学びに対するわずかな変化を見逃さない「見取り」の技術を有する、赤ペン先生界の第一人者。

【実践校インタビュー】札幌新陽高等学校
「本気で挑戦する人の母校」を掲げる、文科省DXハイスクール採択校。
『学力の柱』『人とのかかわりの柱』『環境との共生の柱』を理念とし、単位制や独自の探究活動を展開。正解のない時代、生徒と共に必死に変わり続ける、札幌の挑戦する私立高校。
